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二輪の自動車以外の自動車通行止めの標識

(304)二輪の自動車以外の自動車通行止め

 

この標識より先は、自動車においては、二輪のもの(バイク等)に限り通行することができます。原付や軽車両も問題なく通行できますが、イラストのとおり、四輪の自動車は、通行できないことになります。また、オート三輪等の三輪自動車も通行できません。

Focus

二輪の自動車以外の自動車通行止めの標識。踏切。

◆どのようなところに設置される?

 

「二輪の自動車以外の自動車通行止め」が設置される場所は、交通規制基準によると、次のようなところです。

 

・二輪の自動車以外の自動車の通行に十分な車道幅員がない道路

 又は四輪の自動車の通行による危険性の高い道路

・幅員が十分でない踏切及びその前後の道路

・住宅・商業地域等の地域内又はその周辺において、

 交通事故又は騒音、振動等の交通公害が発生するおそれのある道路

 

すなわち、①幅員の狭い道路・踏切や、②住宅街等で交通事故や振動の防止を必要とする道路に設置されます。

 

あまり馴染みのない標識ではありますが、①の幅員の狭い踏切での設置は、全国的に見られるのではないでしょうか。自動車のうち、脱輪のおそれがある四輪の自動車はシャットアウトし、全幅の狭いバイクのみを通行させることができるので、この標識を用いた規制は、非常に合理的です。

 

また、②の用例は、主に千葉県や岡山県で、朝の通勤・通学時間帯に限定したものが見られます。

二輪の自動車以外の自動車のイラストが表記された補助標識。

◆補助標識にも登場!この車の正体は?

 

「二輪の自動車以外の自動車通行止め」を示す自動車のイラストですが、地域によっては、補助標識のシンボルマークとしても使われることがあります。

 

その際には、「二輪の自動車以外の自動車」を示します。

 

多くの場合、バイクのイラスト(二輪の自動車・原付の意)とセットで用いることによって、「自動車・原付」を示す補助標識として設置されますが、栃木県や奈良県では、車のイラストのみ単独での表記も見られるようです。

 

それにしても、この車のイラスト。

丸目のヘッドランプに、立派なグリル、真一文字のバンパー・・・

何だか、ものすごく古い車に見えませんか?

それもそのはず。この標識が施行されたのは、1963年3月。それ以来、現在までこの標識のデザインは全く変わっていません。

 

1950~1960年代というと、右のようないわゆる「クラシックカー」が走っていた時代です。標識のイラストと見比べると、どうでしょう。確かに特徴が似ている気がします。

 

つまり、この標識の車のデザインが今風ではないのは、標識制定当時の'50~'60年代の「クラシックカー」がモチーフにされていたためと考えることができるのです。

クラシックカー

引用:戦後いち早く登場したイギリスの大衆車 / オースチン A40 デヴォン サルーン, 1950年式(昭和25年)、日本自動車博物館HPより


Gallery

二輪の自動車以外の自動車通行止めの標識。

通勤・通学時間帯を対象にした規制。ここでは、住宅街の入り口に設置されている。

(岡山県岡山市)

二輪の自動車以外の自動車通行止めの標識。360cc以下を除く。

「360cc以下」という括りは、かつての軽自動車の排気量の名残か。狭い踏切に設置されている。

(静岡県裾野市)

二輪の自動車以外の自動車通行止めの標識。松江大橋。

通勤・通学時間帯の規制だが、路線バスとタクシーが除かれたケース。

(島根県松江市)


二輪の自動車以外の自動車通行止めの標識。軽自動車・小特を除く。

軽自動車と小特が除かれたケース。田園地帯にあり、農作業用車の需要を考えての緩和か。

(島根県出雲市)